2011年3月3日木曜日

試験とカンニング

担任の志村です。

本日、報じられている入試でのカンニングで色々な報道が流れました
問題点は様々ですが、
  1. 先ずルールは絶対、遵守すべきである、本人の非
  2. 試験開場側の非:監視出来ていないのは問題で稚拙な犯行で露見したが、他にも見逃している可能性は十分あり得る=>責任逃れで見せしめになっている?
  3. ジャミング等で監視強化する案があるようだが、技術的に完璧は無い(完全個室で電磁遮蔽するとか、空港並みの持ち物検査?)
    =>現代技術に追いついていない?でもこれにビジネスを見出す企業はあるだろう
  4. ペーパー入試という学力を測るシステム自体、そこで優秀な点数をとった者が現代社会で有能とはいえない可能性もある?
  5. マスコミが一面で扱うとかなりの一大事っぽく見えるが、他のニュース(地震被害者、独裁打倒、年金、領土問題などここ順不同です)はそれより扱いが下なのか?
など、考えました。上記はそれぞれ別個に捉えるべきですが、ネットではごっちゃで議論されていて、どうも収拾が付かないところがありますね。

さて、本校も学校ですから、色々と考えるところはあります。

ここからは私自身の事例となりますが、試験を「ネットあり」でやるものがあります。科目はWeb制作の基礎(HTML,CSSの仕組みと使い方が中心)です。Web制作している人は当然ですがネット接続している環境で開発していると思います。分からない処をネットで調べたり、他所のサイトのソースを参考にするために覗くとか、よくやると思います。基本仕様はw3cのサイトを見る事になるし、ネット無くしては仕事は出来ません。試験の答えをネットで探すなんてアリなのか、と思う方が居るかもしれませんが、日々の進化が大きいので、それに依存することは必然です。現場の人間がやっていることを学校で教えているので、そこは当然と考えています。例えば、HTMLタグやCSSの暗記をしたら仕事が出来る人になるのかというと、使い方が重要であることは想像が付くと思います。

ネットありのPC環境での試験は、カンニングという認識が存在しなくなります
。今回の事件の様に質問サイトに投げても、返ってくる答えが正しいかの可能性は判りません。また、クラスメイトとtwitterやmail、チャットで対話する可能性もあります(googleドキュメントなんて便利かも)。しかしながら、その答えに対する選択・信頼は本人に委ねられます。大体、その隣のクラスメイトもネットで調べてたりする訳ですから。情報を得る方法を会得し、更に正しい情報ソースを判断する能力が求められます。そこを試すための試験です。

 他の科目ではまた違う方法で評価をしていたりします、互いの作品の評価を幾度か行い点数を合算する、などです。エンタメ業界ですから、自己満足では無くやってもらってナンボだ、というメッセージも込めています。面接の練習も相互で評価し、面接官になった側の心情を体験して点数にしたり、など。ペーパー試験をするものは、ペーパー試験対策の授業です。
これまでの感じだと、こうした試験を経た学校の成績と進路の成就は、ほぼ合致しています。やってることは合ってるんだろう、と思う部分です。