2011年8月14日日曜日

「創りたい?」かを考えてみる(その4):ゲームぽいもの

さて、前回はアイデアだけじゃゲームと言えない、面白くするには手間が要る、という話をしました。
その手間をかける人たちがゲームクリエイターで、そういう人を開発企業は求めている訳です。

学校で教えている内容は、初めは「手間」の基本的な部分として、例えば「2DのSTGを作ってみる」とかのお題でプログラマは授業をしています。

このお題は何処の学校でもやってると思います、古典的ですが入り口としては分かり易い。見た目で当たり判定などが巧くいってるかが判るし、動作の応用で他のゲームへの転用がし易いです。

今、プログラマの学生がオリジナルゲームを作っていて、2DのSTGである程度、遊べるレベルまで出来ました。で、そのゲームを観て相談していたんですが、次はどうするか。

本人の意向は、

ベースにしてそのままz軸を加え3Dにする(敵が奥から手前に飛んでくる)

というものでした。そこで、ちょっとマテという話をしました。

何故かというと、単純につまらないゲームになるかも知れないからです。先ず、発想として「3Dにしたい」というのが先行していて、「面白くするために3Dにする」ということだと好かったのですがそうなってないです。2Dの好いところは、敵を狙いやすい処です。敵の影に敵がいると、すごくやりづらいです。また、上記の方法だと、丁度、3DのTPSになります。何処を狙っているのかが判りません。こんな感じに(勝手に画面をだしてスミマセン、卒業生の作品です)



FPSだと少し判ります、銃身とカメラが一致するように出来るので、例えば画面の真ん中が狙ってるところ、とか。要するに、ターゲットスコープのようなものが必要ということです。「スターフォックス64 3D」などが、好い例です。あるいは、こういう例も在ります。



このゲームは擬似3Dで、昔の3Dレンダリングが難しかった頃のゲームです。このゲームのすばらしいのはターゲットスコープが無いのに狙えるところです。擬似3Dなので消失点が画面中央に固定され、更に敵と自機との軸が、地面の芝目のような模様と影で判る様になっています、実に好く出来ています!このゲームに地面が無かったら、とても遊びにくいでしょう。

「3Dなら面白い」というよりは、技術的に3Dを使えるデモという側面もあるのですが、3Dにするだけだと難易度としてすごく自慢できるとまではいかないので、これからが勝負です。

「ゲームを作る」のは目的で、「面白さを提供する」のが仕事です。そこを巧くアピールできれば好いですね。特にプログラマだと難しい処理っぽいのを入れたがりますが、それだけをアピールしたいのなら物理演算とかに特化した方が好いですよね。昔、画像の圧縮アルゴリズムを自分で考えた人が居ました、そんなのもアリだと思います。

この「ゲームぽいもの」に関する話はサイバーコネクトツー様の動画でも出ていました。他の専門学校の先生方も、こういう画面を好く見ていると思います。